岩内町郷土館ブログ
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ひとりごと | ニシン場親方、栄華のくらし
ニシン場親方の調度品。今から150年ほど前に制作された、絹地総刺繍の屏風です。
以前の記事でも紹介しましたが、岩内町のニシン漁はかつてかなりの繁栄をきわめておりました。そして多くの漁師を雇い、数ヶ統もの建網を持ってニシン場を経営する「親方」は、大変豪華な暮らしをしていました。
ニシンの漁獲高は、明治25年頃から大正の初め頃までは好漁で、明治33年のピークでは50,000石以上。現在のお金に換算すると、諸経費をのぞいても、年間で平均約3億円の純利益があった計算となります。
上の写真は、国産でもっとも歴史の古い、横浜市西川オルガン製のリードオルガンで、明治38年(1905)製造のものです。ニシン場親方が、自分の娘にプレゼントしたもの。当時の最新、流行をお金に糸目もつけず、いち早く取り入れる財力があったのですね。
このリードオルガンは、当館寄贈となってから、町内外のたくさんの方のご支援により修理調律がほどこされ、毎年イベントやコンサートなどで現役で活躍しています。もちろん、館内で自由に触れていただき、その音色を楽しんでいただくこともできます。(子供たちには特に人気があります)
ニシンの栄華は、昭和2年、45,000石の漁獲を最後に衰退の一途をたどることになります。
posted by 岩内町郷土館 at 2014年05月13日14:54 | Comment(0)