岩内町郷土館ブログ
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できごと | 泊村ヘロカルウシの「見返り岩」探索
2021年が始まりました。本年も岩内町郷土館をどうぞよろしくお願いいたします!
さてこの一枚の古写真は「(岩内)古宇海岸見返り岩の奇勝」という説明付きの、昭和10年に発行された記念ハガキです。
これがいったいどこの場所か皆目見当もつきませんでしたが、こんな素晴らしい景色が、岩宇のどこかにかつてあったのか…と思っておりました。郷土館の昨年度第3回企画展「郷土館お宝・珍品展」にても、パネル紹介をした写真です。
さてその企画展の期間中、別件の取材で郷土館を訪れたあるお方が、このパネル写真を見て「ちょっと調べてみましょう」と興味を持って下さいました。ほどなくして、「おそらくここでしょう」とメールにて知らされたのは、ホリカップの先、ヘロカルウシ付近。今は泊原子力発電所の敷地内となっているところでした。
もし、場所が分かれば、同じ場所同じアングルで現在の写真を撮ってみたいですねえなどと考えていましたが、まず無理でしょうと思いきや……。
「内部に入ることができますよ!」
ええええ!
一枚の古写真から、データを調べつくし場所を特定し、原発敷地内のその場所へ入る連絡や準備、すべての手筈を整えて下さったのは、小樽開発建設部の方々です! そして、内部でご案内をして下さいました北電の担当者のみなさま、お世話になりました。ありがとうございました〜。
というわけで、令和2年11月に開建の皆様、札幌のコンサル会社の皆様、そして郷土館とにしん御殿とまりのメンバーで実現した現地調査。この「チーム見返り岩」の調査報告として、北電さまより提供された写真をご紹介いたします。(外来者の内部撮影は禁止なので、同行の北電の方に撮影していただいたものです。あっちを撮ってくれこっちも撮ってくれと、かなり勝手を申しましてお手数をおかけしました笑)
上の写真の赤ヤジルシ部分の、拝んだような形の岩と、手前の草地の部分、海の向こうの山の位置などから見て、ここが昭和10年の古写真と同じ場所であると同行の全員が確信しました。
さらに次の写真は、その同じ場所の波打ち際の様子です。
赤ヤジルシで示した画面右の海中に突き出た細い岩と、左側コンクリートを突き破るような大岩ですが、これは、郷土館の映像コーナーで見られる「昭和初期の岩内」の中、同じ見返り岩を写した映像の中にありました!
この映像で裏付けが取れ、現在の写真の位置が「見返り岩」の場所であると確定しました。
隧道の手前、右の方にすっくと立つ細長い岩。これが見返り美人に見立てられて、「見返り岩」の名がついたというお話を、同行した鰊御殿とまりの本間館長から聞きました。その岩が現在は、原発の護岸コンクリートをものともせず、ガンと動かず在り続けているその姿に、感動するのは私だけでしょうか……。
あらためてご協力いただきました皆様、ありがとうございました!(R)
posted by 岩内町郷土館 at 2021年01月04日00:26 | Comment(0) | TrackBack(0)
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