岩内町郷土館ブログ
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できごと | 岩内町でカワラは作られていたのでしょうか??
過日、NPOれきけん(歴史的地域遺産研究機構)の先生がご来館しました。岩内町にて明治期にレンガや瓦屋根が多く作られていたのではないか? ということで資料調査とのこと。お話を伺ったところ、北海道庁の資料では、明治30年に岩内郡で生産されたカワラの個数は29万個余り。北海道内の他の地域に比すると突出した数字です。さて岩内町には本格的な「カワラ職人」さんがいたのでしょうか??
(郷土館収蔵室にある立派な鬼瓦)
それについて、明確な資料が実はありません。が、岩内にはレンガ工場が明治24年にできている記録があり、レンガの工場でカワラも生産されていた例が数多くあるとのこと。さらに郷土館資料の中には、本州からの移入品なのか、現地岩内生産なのか不明な鬼瓦(それも本格的な彫刻の施された!)がいくつか収蔵されています。
(明治34年の資料に残る「大宮煉瓦工場」この老込美の所在地は、現在の岩内神社付近と推定されます)
北海道の冬越しを思えば、カワラの普及は少ない方だろうとも思いますが、郷土館坂井館長の子供の頃の記憶では「自宅も瓦屋根だったし、通りの多くの建物が瓦屋根であった」とのこと。トタン屋根は当時ではハイカラだったそうです。
(戦時中は、岩内厚生園の向かいにあったレンガ工場で、建材のほか土管なども作っていたそうです)
そんな町並みが、昭和29年の岩内大火ですべて焼き尽くされてしまったのでした。町内御崎付近には、その時に焼け残ったカワラ屋根の建物が数軒残っていますが、保存の手だても無いものは今にも消えようとしています。
(郷土館の向かいにあるカワラ屋根の建物。大火を免れました)
清住に現存する「簗瀬邸」は立派な瓦屋根が保たれています。その偉容を、なるべくなら後世に残していただきたいものです。(R)
(平成28年の簗瀬邸)
posted by 岩内町郷土館 at 2017年06月25日11:57 | Comment(0) | TrackBack(0)
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